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【インタビュー】審美歯科と韓国美容の融合――新たな“美”の可能性を探る

近年、日本でも「美」への意識がますます高まっています。審美歯科は、歯並びや噛み合わせを整えるだけでなく、小顔や横顔の美しさまで追求する時代になってきました。その中で、韓国の美容外科と連携しながら、大胆なアプローチを打ち出す歯科医院が注目を集めています。

今回はラ・エビスクリニークデンタルの院長である長谷川先生に、「審美歯科における韓国美容との連携」をテーマにお話を伺いました。


目次

従来と変わる矯正治療へのニーズ

――まずは、先生のクリニックで行われている矯正治療、特に審美に関わる部分についてご紹介をお願いします。

A先生:
はい。近年、矯正治療は大きな変革期を迎えていると感じています。従来は「歯並びを整える」「噛み合わせを正す」という目的が主でしたが、患者さんのニーズはそれだけではなく、“よりきれいに見せたい”という美容的な要望が非常に高まってきています。

歯科医師の間では「かみ合わせを変えると顔つきが大きく変わるわけではない」という考えが一般的でしたが、実際の治療法やアプローチによっては、骨切り手術並みに輪郭を変えられる場合もあるということが分かってきたんです。その一例が、当院で力を入れている「切らないセットバック治療」と呼ばれるものですね。


「切らないセットバック治療」とは?

――「切らないセットバック治療」はいつごろ、どのように開発されたのでしょうか。

A先生:
きっかけは今から10年ほど前ですね。うちのスタッフの矯正治療を行ったところ、もともと前歯が突出していたのを抜歯矯正してきれいに並べたら、横顔が劇的に美しく変化したんです。

それまで「矯正では顎(がく)骨自体はそう大きく変わらない」というのが歯科の常識だったんですが、やり方次第では願望まで大きく改善できると実感しました。その治療手法をより体系化し、患者さんにも分かりやすくメニュー化したのが「切らないセットバック治療」です。

ただし、もともと顎が小さい方、逆に顎が大きくしゃくれている方、あるいは鼻の形など別の要因でEラインが整わない場合は、矯正治療だけでは限界があります。そこでは骨切りなどの形成外科的アプローチが必要になることもあり、そのために当院では美容外科との連携も視野に入れているんです。


韓国の美容外科との連携が生まれた背景

――韓国の美容外科との連携を始められたきっかけや、どのような形で進めているかを教えてください。

A先生:
もともと私はインプラント関連の仕事で韓国に行く機会が多く、そこで知り合った日本人の方が韓国と日本のビジネスをつなぐ事業をされていました。韓国はご存じの通り美容大国として世界的に有名ですよね。

その方が「韓国の美容整形を海外へ紹介するビジネス」を展開していたことから、自然な流れで「日本の患者さんが韓国で施術を受けた後のアフターケアを日本で担えるクリニック」が必要だという話になりました。美容整形はメスを入れる大きな施術も多く、そのあとのダウンタイムや細かな経過観察が欠かせません。そこで当院がまずは歯科領域のケアを受け持ち、必要に応じて提携している日本国内の美容外科の先生方につなぐといった連携体制をつくったんです。


韓国美容との連携によるメリットと実情

――実際、韓国の美容外科さんと組むことで、クリニックとして何か変化はありましたか。

A先生:
「連携を始めたからといって、うちのクリニックに大きく新患が増えた」かというと、実はあまりそういうわけではありません(笑)。いわゆる“アフターケア”を受けに来られるケースが中心だからです。

ただ、韓国へ美容整形を受けに行く方は最初から大きな施術を覚悟していることが多く、最終的に当院に矯正や審美目的で来られる――というパターンは、正直あまりありませんでした。私自身は最初、「大きな処置をするか迷っている患者さんが韓国ではなく日本の当院を選ぶ可能性もあるかな」と思っていたのですが、実際は迷う方が少ないという印象です。

一方で、「歯並びもきれいにしたいけど、もう少し口元全体を大きく変えたい」という患者さんに対しては、韓国の美容外科や国内の形成外科と連携できる安心感を提供できるようになり、それがクリニックのブランディングにもつながりました。


日本と韓国の美容医療の違い

――そもそも、韓国の美容医療と日本の美容医療ではどんな違いがあるのでしょうか。

A先生:
一番大きいのは「施術の規模」ですね。韓国の患者さんは輪郭形成や骨切りなど、大きなオペを前提に考える傾向があります。一方、日本ではヒアルロン酸やボトックス、糸リフトなど比較的小さめの施術が主流といえます。

もちろん日本にも大きい処置を行う美容外科はありますが、やはり韓国のクリニックは症例数も多く、経験値も高いです。そこに魅力を感じて「韓国に行く」という日本人の患者さんも少なくないのが現状です。


今後の審美歯科・美容外科連携への展望

――最後に、歯科と美容外科の連携を検討している方に向けて、重要なポイントを教えてください。

A先生:
大前提として「歯科は歯科の領域をしっかり守る」ということです。近年、歯科医院でもヒアルロン酸やボトックスなど美容医療に取り組むケースが増えていますが、本来の強みはあくまで歯科治療にあります。その柱をしっかり持った上で、「どこからどこまでを自分たちで対応し、どこからを美容外科に任せるのか」を明確にしておくことが大切だと思います。

また、今は美容医療全般に対して、患者さん自身も「本当に安全なのか」を見極めようとする傾向が強まっています。SNSやネットの情報だけでなく、専門家による正確な知識と技術を求める声が高い時期です。そういった社会の風向きをよく見極め、きちんとした医療を提供し続けることが最も重要だと考えています。


編集後記

今回お話を伺って感じたのは、審美歯科と美容外科の連携が「大規模手術ありき」だけではないということ。切らないセットバック治療のように歯科単独でできるアプローチも多く、そのうえで骨格や鼻・顎など他分野にまたがる悩みに柔軟に対応できる体制を整えているのが特徴だと思いました。

美容大国と呼ばれる韓国のクリニックと連携することで、患者さんのアフターケアやさらなる美の追求をサポートできる体制が整いつつあるのは、大きなメリットでしょう。今後も審美歯科と美容外科の連携によって、「歯並びを直す」「顎の形を変える」といった問題解決がより多角的かつ安全に行われることを期待したいです。



(※記事中に出てくる名称や治療法、提携先などは一例です。実際の詳細はクリニックへお問い合わせください。)

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